廃墟で拾った「タコ」の話
先月、県北にある蒼沼ブルーランドの跡へ行った。観覧車の骨組みと、管理棟らしい建物が残っている。管理棟の床は半分ほど落ちていて、その下に布の塊が見えた。
タコのぬいぐるみだった。
汚れてはいたが、持ち上げると見た目よりずっと重い。腹の奥に硬い物が入っている。足の付け根には、LANケーブルの差し込み口に似た端子があった。ただし金具の数も爪の形も違う。現場では写真だけ撮り、いったん車に戻った。十分ほど迷って、結局持ち帰った。
家で端子に電源をつないだ。電圧は低いところから試したが、真似はしないでほしい。しばらくすると布の隙間が光り、腹の中で何かが起動した。
表示された時刻は 1973年9月12日 09:04。中には「アーカイブ」とだけ名づけられたファイル群があり、「蛸川小蘭」という名前が何度も出てくる。名前を検索してみたが、人物の経歴は分からなかった。
ファイルは手記、写真、地図、古い紙面の写しなど。読めない部分も多い。端末に直接触らなくても見られるよう、取り出せた内容を下に置いた。
これが何なのか分かる人がいたら、連絡をください。
▸ 端末を起動する
※ 拾った端末のアーカイブを、ブラウザ上で開きます。
追記
起動した翌朝から、僕のスマホに「archive://」で始まる通知が来るようになった。差出人は表示されず、タップしても開かない。
端末を見直すと、受信者の欄には名前の代わりに「███」と入っていた。少なくとも、僕宛てではないらしい。
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